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簿記3級(ネット試験)は独学可能?勉強方法・試験テクニックについて

2022年5月29日の簿記3級(ネット試験)に合格しました。
今回は簿記3級(ネット試験)について、独学が可能かどうかや私が簿記3級で意識した勉強方法や活用した試験テクニックについて紹介しようと思います。

簿記3級(ネット試験)は独学可能かどうか?

まず結論から申し上げると独学は可能です。
というか個人的には独学の方がいいと思います。
日商簿記はメジャーで歴史もある資格のため、独学する教材が豊富ですし、難易度も普通なので毎日コツコツと努力すれば1~3カ月で合格できる資格です。
難易度や勉強時間についてはこちらの記事でまとめています。

shikaku-syutoku.hatenablog.com

某YOUTUBERであるリ〇大の〇学長はクレ〇ールの通信講座をやたら薦めてましたけど、簿記3級レベルで通信講座を利用するのは流石にコスパが悪いですし、通信講座を薦める理由が「正しい簿記の知識を得られるから」というのは理由として弱いと思います。そもそも独学だと正しい簿記の知識を得られにくいという理屈が良くわからない。
心が汚れているせいか、紹介マージンを貰っているようにしか見えないんですよね。どれだけ無益を装っても所詮人の子だよなぁと思う次第です。
話がそれましたが、私としては通信講座を利用するなら士業レベルの資格からでいいと思いますよ。簿記3級で通信講座を利用している人は周りで見かけたことないです。

簿記3級(ネット試験)の勉強方法

勉強方法は市販のテキストと問題集を解き進めていけば良いと思いますが、勉強を進めるに意識しなければいけない点がいくつかあります。

仕訳を極める

簿記は仕訳に始まり仕訳で終わるといっても過言ではないぐらい仕訳が重要です。
問1~問3すべてに仕訳が関わります。
簿記界の英単語みたいな存在なので、基本的な仕訳から応用的な仕訳まで幅広く解けるようにしましょう。

簿記の流れや理屈を理解する

一応暗記ゴリ押しでもパターンがある程度決まっているので「よくわからないけど解ける」という状態にはなります。(経験済み)
しかし、ちょっとパターンから外れたり未払金や前払金のような思考が必要な問題にあたるとたちまち解けなくなります。
仕訳一つ一つに意味があり、簿記の仕組みを理解することが合格するうえで必要だと思います。
簿記の流れや理屈を理解するのであれば”ふくしままさゆきシリーズ”は使えます。
またテキスト紹介の記事で詳しく解説しようと思いますが、コレは簿記の流れや理屈を理解することについては評判通りだったのでおススメです。
3級は100円以下で安いし、アマプラ民だと無料だし。
YOUTUBEの講義もあります。
ただしクセがあります。合わない人は合わないかも?

www.youtube.com

ネット試験対応の問題集で演習を行う。

簿記3級をネット試験で受ける場合、必ずネット試験対応の問題集を買ってください。
ネット試験は問題に直接書き込めない制約があったり、タイプして金額を入力するなど筆記とは違う独特の解き方になります。私の場合、過去に買っていた2019年度の問題集で勉強を進めていましたが、1度もネット試験形式の演習をしないまま臨んで面喰らい、落ちてしまいました。ネット試験を受ける場合はネット試験形式で演習を積みましょう。

簿記3級(ネット試験)の試験テクニック

問題のボリュームがそこそこある中、試験時間が60分しかないので、テキスト通りに問題を解くと時間が足りないです。少しでも時短することが簿記3級攻略のコツになります。
うまくハマれば35分程で問1と問3が解けます。

勘定科目の省略

簿記ではメジャーな試験テクニックです。
メモ書きする勘定科目を省略することで時間短縮を図れます。

例題:商品3,000円を売り上げ、代金は全額掛けとした。

という問題があったとしてメモに書く際

売掛金 3,000 売上 3,000と書くのではなく

売× 3,000 売上 3,000

と書くという話です。

サンプルで私が使っていた省略一覧を共有します。
特にこれにしなければならないということではなく自分がやりやすい形で省略してください。少なくとも、よく使う勘定科目だけは省略したほうがいいですよ。
下記のサンプルを参考にする場合はいくつか注意点があります。

  1. 受取/支払手形と受取/支払手数料の略は分かるように区別する。
  2. 未払金や前払金は未払○○、前払○○という形で省略する。
    例:未払家賃なら未払家など
  3. 減価償却費と減価償却費累計額の前に備品か建物をつけて省略する。
    例:建物減価償却費→建減、備品減価償却費累計額→ビ累 など
貸借勘定科目
資産 資産(略) 負債 負債(略)
現金 買掛金 買×
普通預金 ○フ 当座借越 当借
定期預金 借入金 借入
当座預金 支払手形 支手
受取手形 受手 電子記録債務 電務
電子記録債権 電権 手形借入金 手借入
商品 未払金 未払
繰越商品 クリ商 前受金 前受
売掛金 売× 仮受金 仮受
クレジット売掛金 クレ× 預り金 預金
貸付金 貸付 従業員預り金 従業預
手形貸付金 手貸付 所得税預り金 所預
未収入金 未収 社会保険料預り金 社預
前払金 前払 未払配当金 未払配当
仮払金 仮払 未払法人税 未払法
立替金 立替 仮受消費税 仮受消
従業員立替金 従業立替 未払消費税 未払消
受取商品券 受取商 未払費用 未払費
差入保証金 差入 前受収益 前受収
建物 純資産 純資産
(略)
貯蔵品
土地
備品
車両運搬具
仮払法人税 仮払法 資本金 資本
仮払消費税 仮払消 資本準備金 資本準備
前払費用 前払費 利益準備金 利益準備
未収収益 未収益 繰越利益剰余金 繰剰
損益勘定科目
費用 費用(略) 収益 収益(略)
仕入 仕入 売上 売上
発送費 発費 受取利息 受取利
通信費 通信 償却債権取立益 償却債権
修繕費 固定資産売却益 売益
支払保険料 支払保 受取地代 受地
水道光熱費 水光費 受取手数料 受手数
支払手数料 支払手数      
支払利息 支払利      
旅費交通費 旅費      
給料 給料      
消耗品費 消耗      
租税公課 租税      
法定福利費 法定福      
貸倒損失 貸倒損失      
貸倒引当金繰入 引当繰入      
減価償却 (建orビ)減      
固定資産売却損 売損      
支払家賃 支払家      
その他勘定科目
その他 その他(略)
貸倒引当金 貸倒引当
減価償却累計額 (ビor建)累
損益 損益
法人税、住民税及び事業税(法人税等) 法人

余談ですが、現金の省略勘定科目として"Cash"の"C"を使う方もいるみたいで、人によって個性がでますね。私の場合、原則として勘定名の前半を抜いて省略しています。黄色背景は原則と大幅に異なるパターンのものを抜き出しています。

デノミ(/1,000)

私が調べた中では見かけなかった独自の試験テクニックです。
千円を”k”で表し、省略します。
例えば1,000円なら1k、3,400,000円なら3,400kです。
1,000で割って"k"をつけるだけです。
下の",000"の部分を"k"に変えるだけなので見た目スッキリします。

例題:商品3,000円を売り上げ、代金は全額掛けとした。

売× 3k 売上3k

と勘定省略と組み合わせるとかなり時短できます。

千円未満の場合も小数点を使って表せられるので問題ないです。
600円→0.6k

また、問3でよく出る

例題:借方500,000円の備品を残存価格を10%、耐用年数を5年とする定額法により減価償却を行う。

といった問題も、デノミすると

(500k-50k)/5

=450k/5

=90k

=90,000

と楽に計算できます。

さらにこのデノミ計算、問3の精算表や決算整理残高試算表などの締めにも活用できます。

(出典:https://www.jikkyo.co.jp/material/pdf/kakomon/nissho137_3.pdf

例えば上記の様な精算表問題で仕訳が終わり、修正記入、損益計算書貸借対照表の空欄を埋めることができ、最後に合計値を計算するとした場合、一般的には損益計算書欄の貸方から
5,279,000+63,000+2,080+1,000を電卓で打って5,345,080の合計を導き出すと思いますが

,000をデノミ(/1,000)して電卓を打つと
5,279+63+2.08+1=5345.08
最後にこの値に×1,000をすると5,345,080が導き出せます。
締めの合計計算はこれでした方が間違えないですし、手間も少なくなりかなり簡略化できます。
1つ弱点があるとするならば、1,000円未満の金額が多く含まれる場合は使いにくいです。ただ、ネット試験の場合1,000円以上がほとんどなので問題ないかと思います。

このようにデノミ計算は応用範囲が広く、かなり時短できるので覚えておいて損はないです。
もしかして","ってこのためにあるのでは・・・?

ちなみに"k"を使うのはネトゲをやってた時の名残です。
よくネトゲでは10kや1mなどと言ってアイテムのやり取りを行っていました。
mはmillionの略でしょうけどkはkmとかのkなんですかね?

問3の解答方法

問3は決算整理仕訳を解かなければ表を埋められない形式ですが、すべての決算整理仕訳を終えてから表に転記するのではなく、1つの決算整理仕訳を解くごとに表を埋めた方がいいです。理由は大きく2つ

  1. 部分点方式のため、時間が足りなかった場合少しでも点数が稼げるから
  2. 決算整理仕訳後の売掛金受取手形の金額をもとに、引当金の計算をするから

1つずつ仕訳して転記しても、2回同じ勘定科目を使う仕訳をした記憶にないので問題ないです。やってみると分かりますがまとめて転記するより都度転記した方が楽です。

問題の解く順序

問1→問3→問2の順で解きましょう。
ぶっちゃけ問1と問3がほぼ完璧であれば合格点に達しますし、問3は芋づる式の問題であるためどうしても解答に時間がかかります。また問2は問題によっては短時間で解答可能な問題もあるので、小題1問分からなくても最悪カバー可能です。

未払金、減価償却費などの問題はタイムテーブルを描く

未払金や前払金、減価償却費などの期間が絡む問題は頭の中で計算せず、タイムテーブルを描いて解きましょう。特に減価償却費の問題なんかは取得日と当期が年単位でズレている場合が多いので、タイムテーブルを描いて整理した方がいいです。

運行管理者試験(貨物)の勉強法、難易度、勉強時間など

令和3年度(2021年度)第1回運行管理者試験に合格したので独学方法などを共有したいと思います。

・・・気づいたら令和3年の第2回試験終わってるやん。

難易度レビュー

評価:やや易しい

ネットで運行管理者の情報を集めると簡単という意見が散見しますが、覚える量もそこそこあり、細かい数字を覚えたりしないといけないのと、問に完答で1点という問題構成のため中途半端な知識だと落とされます。もし7割で合格だったら普通難易度レベルだと思います。初学者で一夜漬けしようと思っている人は止めた方がいいです。
一方、基礎講習が義務付けられているので強制的に知識を植え付けさせられることや、問題自体も実際にイメージしやすいこと、運転免許を持っていれば前提知識で解ける問題もあったりするので取り組みやすいです。
また、参考程度にですが私が過去に受験した他の資格試験と比べると文系型の方が受験する乙4と同じぐらいの難易度だと思います。

勉強時間

合計:31時間25分(26日)

月間

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週間

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日間

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8月21日が試験日でした。
綺麗な2次曲線、相変わらずの試験直前にブーストかけるスタイルです。
コンスタントに勉強するのは難しい・・・。

私は運行管理者の実務経験はありませんでしたが、勉強慣れや衛管の資格と被る部分もあったのでこの時間だったと思います。

一般的に合格するための勉強時間は大体40~50時間程は必要だと思います。

余談ですが、8月19日に易化回の過去問(合格率:43.9%)を解いた際23点だったのでもう勉強止めようかと思ったのですが、無駄に不安症なので勉強を続けました。高スペックの要領のいい人なら20時間切るのも不可能じゃないと思います。
我こそはという方はチャレンジしてみてください(笑)

使用テキストレビュー

テキストは公論出版の"運行管理者試験 問題と解説 貨物編"を使用しました。
このテキスト、ネットの評判が良くて立ち読みしようと近くの書店駆け回ったのですが何処にも置いてない・・・。
他の立ち読みできるテキストにしようと思ったのですが、イマイチピンとこなかったのと過去問が別売りだったりして嵩張りそうだったので見送りました。
結局Amazonで購入しましたが、それだけで1週間近く無駄にしました。
因みにこのテキスト、私も買って気づいたのですが、過去問丸々の掲載はありません。単元ごとにリンクする過去問を8年分ピックしています。
それとパッと見は他社のテキストより分厚く、説明も淡泊なので人を選ぶかもしれません。
購入してみたい方は一度Amazonでイメージ図の確認を推奨します。

勉強方法

正直できるだけ多く暗記できるかどうかに掛かっていますが、私の勉強方法や戦略じみたものを紹介したいと思います。

勉強の流れ

私の勉強方法としては、

上でも書いた通りテキストの構成が単元毎の説明+リンクする過去問の掲載だったので
1回目:どういった内容を学ぶのかを単元毎の説明を流し読み(7月25日に完了)

2回目:再度単元の説明を理解しつつ章末問題にも取り組む

1周したら繰り返す

という流れで勉強していました。
8月17日に1週目完了してから2週目の途中で試験に突入したので、このテキストで学習するなら最低2回転、確実にしたいのであれば3回転繰り返せば合格する力が身に着くと思われます。

章末問題1周だけじゃ流石に覚えられなかった。

苦手分野を作らない

足切り試験の常套句ですが、苦手科目を作らないことが重要だと思います。
特に5.実務上の知識及び能力は複合問題が出たりもするので、「この分野だけに力を入れる」とかの戦略は合わないです。万遍無く勉強することをお勧めします。

5.実務上の知識及び能力のパターンを掴む

5.実務上の知識及び能力はフェリーを利用した1週間の運行管理問題や拘束時間の問題等、問題パターンが限られているので似たような問題を何回も解いて、解き方の流れを覚えましょう。
完答しないと1点にならないので、ここが運行管理者で一番の関門だと思います。

過去問の入手方法

上でも書きましたが、私が使用したテキストには丸々過去問の掲載がなかったので最初騙されたと思っていたのですが、ネットで調べると公論出版のHPに過去問の掲載がありました。
テキストに書いといて欲しい・・・。
中身については解答・解説と解答用紙まで付いてたので使いやすかったです。
下にリンク載せます。

kouronpub.com

補足

自分がやってないので紹介できないですが、YouTubeで運行管理者の講義動画をアップしている方がいるみたいです。勉強方法の選択肢の一つとして考えてみるのもいいかもしれません。
YouTubeで資格の勉強するなんて時代は変わるなあ・・・(ゆとり世代の感想)

 

shikaku-syutoku.hatenablog.com

受験記なんかも書いたのでこちらもぜひ!

【永久保存版】通関実務の解答テクニック(申告書問題の解き方など)

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通関士試験で最も難易度の高いと言われている通関実務。
実は試験テクニックが存在します。
知っているかどうかで通関実務の難易度がかなり変わってくるので、知っておいて損はないです。
通関士試験でよく知られているテクニックもあれば私独自に使っていたテクニックもあるので、使えそうだと思ったら採用してみてください。
どれも手軽にできるものばかりなのですぐに効果が出ますよ。

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2021/9/23
とりあえず試験が近いのでザっとテクニック書いてみました。
時間あるときに清書します。
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関税率表へのマーキング

これをやるかどうかで申告書問題の難易度がかなり違ってきます。
実施側もこのテクニック前提で問題を作っていると思うので、使わなければ時間が足りないです。
関税協会公認のテクニックで前は合格者座談会(?)のページにやり方が載っていたのですが、通関士ポータルがリニューアルした際に消えていました。
また、関税協会発行の申告書問題集のゼロ申にはなぜか載っていません。
載せてくれりゃいいのに・・・。

やり方

予め選択肢の税番を関税率表にマーキングすることで、探す部分を絞ることができます。
私が実際解いた時は関税率表の左側に選択肢の番号を記載していませんでしたが、下記の例のように赤字で予め番号を書いていると間違えずにマークできます。
また、少額合算した選択肢がある場合はE、Xを番号の隣に書くと見分けやすいです。(下記の④、⑤、⑨のような選択肢の場合)
因みに選択肢の税番は昇順で並んでいるので、関税率表にマーキングする税番号の数字が散ることはありません。(例えば⑤の後に⑥ではなく、④や⑦が来ることはない。)

例)

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通関実務は蛍光ペンの持ち込みも可能なので、関税率表に選択肢のマーキングとマーカーでのマーキングを組み合わせると視認性が上がります。

問題指示の整理

これは私オリジナルのテクニック。
申告書問題を解いた時に問題の指示事項を見落として、正しい関税評価ができなかったり、品目分類ができなかったりしたことありませんか?
ちょっとした工夫ですが、予め問題の指示事項に関係する項に問題番号を書いてあげると見落とししないので、問題の指示漏れが起こりません。
例)
(例で一部間違っているのはご容赦ください;;)

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例でいえば第54回の輸入申告書問題ですが問題文の7,8,10がそれぞれ仕入書の

Sleeping bag of polyester fabrics

Pneumatic mattress, of polyester fabrics

Fork, of plastics
に関係しているので対象の項に*+問題番号を書いています。
丁度このFork, of plasticsなんかがいい例ですが、品目分類する際に何か指示事項あればすぐに分かります。
因みに*である必要は特段ないので、自由にマーク決めてもいいですよ。

問3の択一式以降から解答

通関実務は時間との勝負です。
申告書問題は通関実務の半分弱を占めているため得点源になりますが、それ故に初めに申告書問題に取り組むと途中詰まってもついつい時間をかけすぎてしまい、後半の択一式や計算式の時間が足りなくなってしまいます。
問3以降は比較的ペース管理がし易いので、最初に取り組むことでメリハリができます。

まぁ、騙されたと思ってやってみてください。
順番変えただけで全然違うから

金額は尻(1の位)からマーク

小ネタレベルのテクニックですが、通関士試験の場合、7桁0埋めで金額をマークしなければいけません。
7桁フルで埋めない場合ももちろんあるので、尻からマークした方が機械的にマークできます。
例えば291,600円が解答の場合、
都度桁数を数えて6桁だから、0埋めして0291600するのではなく、
逆の1の位から順に右からマークすれば自然と0291600が導けます。

通関実務対策 通関実務の時間配分

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通関実務の試験問題を解いたことがある方は分かると思いますが、通関業法や関税法と違い、通関実務は自分のペースで解いても時間が足りません。
通関実務は時間内に解き終えることが最初の関門になるため、問題に対してどういう時間配分をするかを考えた方がいいです。
今回は私が通関士試験時に意識していた通関実務の時間配分を紹介したいと思います。
分野の得意不得意は人それぞれあると思うので、そのまま使うのは難しいと思いますが、今回紹介する時間配分をベースに自身の通関実務の時間配分を考えてみてはいかがでしょうか。

通関実務の時間配分

早速ですが、時間配分は以下の通りです。

通関実務時間配分
  • 輸出申告問題:18分
  • 輸入申告問題:27分
  • 選択式:20分
  • 計算式問題:30分
  • 解答用紙へのマーク:5分

 私の場合、試験時間100分を申告書問題と選択式・計算式問題それぞれ50分ずつに振り分けて考えてました。

申告書問題

まず申告書問題は輸出申告書は20分、輸入申告書は30分で解くように考えました。
申告書問題の想定時間は誰でも大体こんな時間だと思うので、日頃もこの時間を意識して問題演習をするといいでしょう。
ただ、本番はマークシートに解答を記入しないといけません。
特に輸入申告書問題は金額をマークしないといけないので、マークに結構時間がかかってしまいます。
申告書問題の場合、全ての結果が出てから初めてマークできるので5分ぐらいは見積もっておかないと、問題は解けたけれども解答できないという最悪なパターンになってしまいます。
私は申告書問題からマーク時間の5分を捻出しましたが、選択式等から5分持ってきてもOKです。

選択式・計算式問題

選択式・計算式問題は2020年度の試験では15問ありました。50分で解くとした場合、大体一問あたり3分強しか時間がありません。
その中でも計算問題は解答に時間がかかります。5問しかありませんが、私は倍の時間をかけて30分の時間を取りました。
残りの20分が選択式に割り当てた時間ですが、問題のタイプによって時間のメリハリつけてます。
問題のタイプは

  1. 知識で解く問題(品目や実務知識等)
  2. 読解力で解く問題(原産地系等)

で分けて考えてました。
当たり前なんですが、できるだけ知識問題には時間をかけないようにしましょう。
知識で解く問題は考えても分かりません。微妙な選択肢で悩む時もあると思いますが、一旦は決め打ちで解答して、時間が余った場合に再検討した方が時間を無駄にせずに済みます。
知識問題をできるだけ短い時間で解いて、解答時間がかかる読解力問題や計算式問題に時間を割くことができれば理想的です。

また、選択式は勘でもマーク可能で、時間調整が出来るので、場合によっては捨て問も考慮にいれつつ時間配分を決めるといいでしょう。

その他・留意事項

正直、通関実務は見直す時間は無いものと思って時間配分を決めたほうがいいと思います。
あと重複しますが、金額のマーク時間が意外と時間を費やしてしまい盲点だったりするので、模試等でどれぐらい時間が必要か見極めましょう。
本番は緊張もあるので、やはり5分ぐらいは必要だと思います。

令和3年第1回運行管理者試験受験終了!簡単な所感等々

先週の8月21日土曜日に運行管理者試験を受験しましたので簡単な所感などをつらつら書こうと思います。
そんな書くことはないですが大きく2点

  • 会場が狭い
  • 問題の難易度は過去問並み

会場が狭い

会場がホテルの会議室(TKP)で受験したのですが、滅茶苦茶狭い!
私含め12名がいましたが、一人あたりのブース席は椅子の幅ぐらいしかなく、マジでギチギチでした。
ITパスポートの時も「狭いなぁ」なんて思ってましたが、それを遥かに凌ぐ狭さ!
このご時世だし、一人分の席はゆとりがあってもいいかなと思いました。

問題の難易度は過去問並み

今回が運行管理者初のCBT試験ということで、簿記や基本情報等はCBT方式になってから難易度が易化しているようなのでちょっと期待したのですが、難易度はペーパー試験と変わらない感じでした。
まぁ、安全や命にも関わる資格なので、ポコポコ受からせてブラックな配車係を量産させられても物流業界全体でみるとマイナスなので今ぐらいの難易度が丁度いいのかもしれません。

後書き

とりあえず手ごたえ的には6割はありそうなので一安心です。(落ちてたら笑ってくれ。)
あと21日ということでお盆期間中に勉強する羽目になったので、お盆前に受ければよかったな~と勉強しながら思ってました。せっかくの連休を資格の不安感で過ごすのはもったいなかった・・・。
9月21日に結果が発表されたらまたブログで報告しようと思います。

税関HPから3年以上前の過去問を入手する裏技

 

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税関HPの過去問

皆さん税関HPから過去問をダウンロードできることは知っていると思います。

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ただ、税関HPで公開されているのは最新の3年分のみで、そのより前の試験問題は(表には)公開されていません。
通関士ポータルから印刷することも可能なのですが、リニューアル後の通関士ポータルは2016年からの問題しか掲載されていません。
今回は税関HPから3年以上前の過去問を入手する裏技(?)を紹介したいと思います。

過去問入手手順

やり方は簡単です。
まずいつの年度でもいいので税関HPの過去の試験問題のページにアクセスします。

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そして、アドレスの数字を入手したい実施回の数字に変更します。(例:53→46)
エンターを押すと過去の実施回のページにアクセスできます。

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まぁ、Google検索で”48回通関士試験過去問”などで検索しても出てくるんですけどね。
パッと見では税関HPに3年分しかないので、物足りなさを感じますが、実は第46回(2012年度)まであります。
ただ、解答は税関HPの分に載っているのですが解説が無いのが痛いです。
前は通関士ポータルに10年分ぐらい解説があったので、全く気にする必要はなかったのですが、今は5年分しかありません。
市販のものだと3年分しか収録されているのしかないので、5年以上前の解説が欲しければ古本屋で過去問が載っている市販問題集を買うしかなさそうですね・・・。

 

通関実務対策 申告書問題の解き方(価格按分の問題・少額判断基準価格の算出)

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申告書の問題で多く出てくる価格按分の問題。
申告書鉄板問題集のゼロからの申告書(以下、ゼロ申)にもよく出題されています。
ところでゼロ申の価格按分で解説されている

{\displaystyle 申告価格=仕入書価格\times\dfrac{申告価格総額}{仕入書価格総額}\times適用為替レート}

の意味は理解しているでしょうか?
ゼロ申ではこの計算式を公式化していますが、何故このような式が導かれているかが全く書かれていません。
最初取り敢えず暗記して乗り切ろうとしたのですが、ちょっとパターンを変えられるとどう使うんだっけ?と訳が分からなくなりました。
結局自力で気づいたのですが、ネットにも解説がなかったのでいつか書きたいなーと思ってました。
恐らく皆さん躓いている箇所だと思いますが、実は簡単な数式で導けます。
あとゼロ申をもっていない人は買いましょう。
通関実務必須の問題集です。

公式の意味(比率版)

 突然ですが皆さん

10は5の何倍ですか?

2倍ですね。簡単です、小学生でも解けます。
実は価格按分の公式と問われている内容は一緒です。


そもそもこの公式(適用為替レートは省略)

申告価格=仕入書価格\times\dfrac{申告価格総額}{仕入書価格総額}

別の見方をすると

申告価格=仕入書価格\times x

 
※x=\dfrac{申告価格総額}{仕入書価格総額}

と置き換えられます。

式の意味としては"仕入書価格をx倍すると申告価格になる"です。
("申告価格は仕入書価格をx倍した価格になる"とも言い換えられる)

今度はx

※x=\dfrac{申告価格総額}{仕入書価格総額}

について考えてみましょう。
さっきの”10は5の何倍ですか?”の2倍は皆さん頭の中で10\div5=2で求めたはずです。
これを式本来の意味の"申告価格は仕入書価格の何倍ですか?”であてはめると10は申告価格、5は仕入書価格、2はxです。
なのでx=申告価格\div仕入書価格となります。
ここでのxは比率を表しており、仕入書価格を"1"とした場合、申告価格は何倍か?という意味なので、申告価格総額\div仕入書価格総額(全体がわからないと比率が出せない→申告価格、仕入書価格の総額で比率を計算)となります。

凄い回りくどい説明でしたが、要は仕入書価格をx倍すると申告価格になるという比率x申告価格総額\div仕入書価格総額で求めているだけです。

 公式の意味(比例式版)

比例式からもこの公式を導き出せます。
こちらの方が機械的に導き出せます。
申告価格と仕入書価格の関係を比例式で表すと

申告価格:仕入書価格=申告価格総額:仕入書価格総額

となります。
比例式の性質である内項の積=外項の積を利用すると

申告価格\times仕入書価格総額=仕入書価格\times申告価格総額

両辺に\times\dfrac{1}{仕入書価格総額}をすると

申告価格=仕入書価格\times\dfrac{申告価格総額}{仕入書価格総額}

が導き出せます。

公式の使い方

比例式の

申告価格:仕入書価格=申告価格総額:仕入書価格総額

の形さえ覚えておけば、

申告価格=仕入書価格\times\dfrac{申告価格総額}{仕入書価格総額}\times適用為替レート

という公式を覚えなくて済みます。

例題:輸出申告書の価格按分・費用按分するパターン

ゼロ申の輸出申告書で価格按分するパターン等で

例題にあるような
仕入書価格(EXW):US$2,000
FOB総額:US$31,722
EXW総額:US$31,100
為替レート:99円/US$

の場合、上記の比例式に当てはめると

 

申告価格:US$2,000(EXW)=US$31,722:US$31,100

 
申告価格=US$2,000(EXW)\times\dfrac{US$31,722}{US$31,100}

最後に為替レートを乗算してあげると申告価格=201,960円となります。

もちろん、輸入申告書の費用按分する場合も使えます。

少額判断基準価格の算出

少額判断基準についても比例式を使って算出できます。
ゼロ申では少額判断基準価格の公式は

少額判断基準=20万円\times\dfrac{仕入書価格総額}{申告価格総額}\div適用為替レート

とあります。

この公式を求めてみましょう。
まず、少額判断基準と申告価格、仕入書価格の関係を比例式で考えてみます。
比例式で表す為に、少額判断基準を申告価格と仕入書価格それぞれで分けた場合を考えます。

申告価格の少額判断基準を少額判断基準(申告建値)、

仕入書価格の少額判断基準を少額判断基準(仕入建値)
で表す*1とすると、
この時の少額判断基準と申告価格、仕入書価格の関係は

少額判断基準(申告建値):少額判断基準(仕入建値)=申告価格総額:仕入書価格総額

となります。
また、少額判断基準(申告建値)は輸出入申告どちらの場合でも20万円なので

20万円(申告建値):少額判断基準(仕入建値)=申告価格総額:仕入書価格総額

と表せます。
先ほどと同じように比例式の性質を利用すると

少額判断基準(仕入建値)\times申告価格総額=20万円(申告建値)\times仕入書価格総額

両辺に\times\dfrac{1}{申告価格総額}をすると

少額判断基準(仕入建値)=20万円(申告建値)\times\dfrac{仕入書価格総額}{申告価格総額}

が導けます。

例題:輸入申告の少額判断基準価格の算出

例題として輸入申告書の少額判断基準を求めてみましょう。
仕入書価格総額:US$70,359(FOB
申告価格総額:US$74,881.77(CIF
為替レート:108円/US$
とした時の少額判断基準は比例式で表すと
輸入申告の場合、少額判断基準は建値CIFの20万円なので

200,000円(申告建値=CIF):少額判断基準(仕入建値=FOB)=US$74,881.77(CIF):US$70,359(FOB)

になります。
これらを式変形し、ドル換算させると

少額判断基準(FOB)=200,000円(CIF)\times\dfrac{US$70,359(FOB)}{US$74,881.77(CIF)}\div108円/US$

=US$1,740

となります。

もちろんこの考え方で輸出申告書の少額判断基準も求められます。
輸出申告書の場合は、少額判断基準(申告建値)を建値FOBの20万円に変えるだけです。
また、この式も要するに仕入書の少額判断基準価格は申告少額判断基準価格20万円の何倍ですかと聞いているだけなんですよね。

まとめ

理解してないで公式のみ暗記していると価格按分と少額判断基準価格の公式とで申告価格総額と仕入書価格総額がテレコになってしまっているのでわけわからんことになります。式の意味を理解すると結構簡単です。
価格按分、少額判断基準価格の算出は公式を暗記せず比例式から導き出しましょう!

*1:建値=インコタームズ

/*一覧化*/